ノロウィルスについて
毎年、主に冬場を中心としてノロウイルス(感染症胃腸炎)の感染を原因とするおう吐・下痢症が流行します。感染した人の手指などから人から人へと拡がっていきます。
1.潜伏期間・症状
感染してから、平均1日~2日で症状がではじめます。
主な症状にはき気、おう吐、下痢などです。特に小児や高齢者は、激しいおう吐による脱水症状をおこす危険があり、注意が必要です。
2.感染経路
- 調理する人が感染していて、その人の手指を介して汚染されたものを食べて感染
- 家族や保育所などの集団生活の中で感染した人と接触したり、感染した人の便や吐物を処理する際にその人の手指を介して感染
- 汚染された食品(特に牡蠣などの2枚貝)を生または、加熱が十分でない状態で食べて感染
3.予防法(ノロウイルスの感染を広げないために参照)
特別な治療薬やワクチンなどがないため、かからないよう予防することが大切です。
- 充分な手洗い(特にトイレやおむつ交換のあと、食事の前後など)(「手洗いの手順」参照)
- 調理器具の洗浄(85℃で1分以上の加熱消毒が有効)
- 便や吐物を処理するときは必ずマスクと手袋を着用し、処理したあとは汚染された箇所の消毒を行う(「塩素消毒の方法」参照)
ノロウイルスには、アルコール消毒液は効果がありません。塩素系漂白剤で消毒を行ってください。 - 食品の充分な加熱
- タオル等の共有をしない
- 疑わしい症状がでたら、早めに医療機関を受診
厚生労働省ホームページ ノロウイルスに関するQ&A(別ウインドウで開く)
ノロウイルスの感染を広げないために
食器・環境・リネン類などの消毒
- 感染者が使ったり、おう吐物が付いたものは、他のものと分けて洗浄・消毒します。
- 食器等は、食後すぐ、厨房に戻す前に塩素液に十分浸し、消毒します。
- カーテン、衣類、ドアノブなども塩素液などで消毒します。
次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があります。金属部(ドアノブなど)消毒後は十分に薬剤を拭き取りましょう。 - 洗濯するときは、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぎます。
・85℃で1分間以上の熱水洗濯や、塩素液による消毒が有効です。
・高温の乾燥機などを使用すると、殺菌効果は高まります。
おう吐物などの処理
- 患者のおう吐物やおむつなどは、次のような方法で、すみやかに処理し、二次感染を防止しましょう。ノロウイルスは、乾燥すると空中に漂い、口に入って感染することがあります。
・使い捨てのマスクやガウン、手袋などを着用します。
ペーパータオル等で静かに拭き取り、塩素消毒後、水ぶきをします。
・拭き取ったおう吐物や手袋などは、ビニール袋に密閉して廃棄します。その際、できればビニール袋の中で1000ppmの塩素液に浸します。
・しぶきなどを吸い込まないようにします。
・終わったら、ていねいに手を洗います。
塩素消毒の方法
業務用の次亜塩素酸ナトリウム、または家庭用の塩素系漂白剤を水で薄めて「塩素液」を作ります。
*濃度によって効果が異なりますので、正しく計りましょう。
- 製品ごとに濃度が異なるので、表示をしっかり確認しましょう。
- 次亜塩素酸ナトリウムは使用期限内のものを使用してください。
- おう吐物などの酸性のものに直接原液をかけると、有毒ガスが発生することがありますので、必ず「使用上の注意」をよく確認してから使用してください。
食器、カーテンなどの消毒や拭き取り 200ppmの濃度の塩素液
- 製品の濃度12%
液の量5ml 水の量3L - 製品の濃度6%
液の量10ml 水の量3L - 製品の濃度1%
液の量60ml 水の量3L
おう吐物などの廃棄(袋の中で廃棄物を浸す) 1000ppmの濃度の塩素液
- 製品の濃度12%
液の量25ml 水の量3L - 製品の濃度6%
液の量50ml 水の量3L - 製品の濃度1%
液の量300ml 水の量3L
ノロウイルスによる感染について
感染経路
- 食品からの感染
感染した人が調理などをして汚染された食品
ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝など - 人からの感染
患者のふん便やおう吐物からの二次感染
家庭や施設内などでの飛沫などによる感染
症状
- 潜伏時間
感染から発症まで24~48時間 - 主な症状
吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱が1~2日続く。感染しても症状のない場合や、軽い風邪のような症状のこともある。
乳幼児や高齢者は、おう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息にも要注意。